【株が下がったらどうする?】焦らず行動できる人の考え方と対処法|元公務員FPが実体験で解説

株価が下がったとき、胸がざわつく——。

私も最初はそうでした。

画面を開くたびに「評価損益−◯万円」の数字が目に入り、心が落ち着かない。

「売ったほうがいいのか?」

「このまま持ってていいのか?」

そんな不安に押しつぶされそうになったことを、今でもはっきり覚えています。

でも、冷静に考えてみると、株価が下がること自体は「異常」ではなく、むしろ「当然の出来事」なんです。

相場には必ず波があり、上がる時期があれば下がる時期もある

この“波との付き合い方”を間違えると、せっかくの投資がストレスの原因になってしまいます。

この記事では、

  • 株が下がったときに「絶対にやってはいけない行動」

  • 下落局面で冷静に対処するための“思考整理法”

  • 私(伯爵)が経験した実例と「立ち直り方」

  • そして、公務員や長期投資家にとっての正しい“構え方”

を、わかりやすく丁寧にお話しします。

「下がった…どうしよう」と感じたその瞬間が、実は“成長のチャンス”です。

一緒に、焦らず・慌てず・投げ出さず、落ち着いて見直していきましょう。

では、順に見ていきましょう。

🥉 第1章:株が下がったとき、誰もが感じる不安と焦り

株価が下がると、頭では「長期で見れば大丈夫」と分かっていても、心はまったくそうはいかないものです。

数字が赤く染まる画面を前にして、

「このままもっと下がったらどうしよう…」

「せっかく貯めたお金が消えていくのでは?」

そんな不安が胸を締めつけてくる。

これは、投資経験が長い人でも同じです。

むしろ真面目な人ほど、“失敗したくない”という気持ちが強く、下落を受け入れにくい傾向があります。

なぜ「下がる」だけで心がざわつくのか

それは、人間の脳が「損失の痛み」を利益の喜びよりも強く感じるようにできているからです。

これを行動経済学では「損失回避バイアス」と呼びます。

たとえば、

  • 10万円の利益が出たときの喜び

よりも、

  • 10万円の損失を見たときのショック

のほうが、心理的には約2倍も大きいといわれています。

つまり、「株が下がってつらい」と感じるのは人間として自然な反応なのです。

決して“メンタルが弱いから”ではありません。

公務員や安定志向の人ほど動揺しやすい理由

私が県職員だったころもそうでしたが、公務員は「リスクを避ける文化」で働いています。

ミスをしないこと、慎重であることが評価される世界。

だからこそ、投資のように“結果がすぐ変動するもの”には、心がついていきにくいんです。

投資を始めたばかりの頃、たった数千円マイナスになっただけで落ち着かず、何度もアプリを開いては評価損を確認していました。

でも、時間が経って気づいたんです。

「この上下こそが“投資の呼吸”なんだ」と。

上がったり下がったりを繰り返しながら、少しずつ“慣れていく”ことが、長く続ける最大のコツです。

焦って動くと失う「2つの資産」

株価が下がったとき、多くの人が「すぐ動かなくちゃ」と感じます。

でも、その焦りが一番危険。

なぜなら、失うのはお金だけではなく、「心の余裕」も同時だからです。

焦って売ってしまったあと、数日後に株価が戻った経験、ありませんか?

私もまさにそれを繰り返しました。

「あのとき売らなければ…」という後悔ほど苦いものはありません。

資産運用は“戦い”ではなく“マラソン”です。

走るペースを自分で守ることが、何よりの防御。

焦りが出たときほど、一歩引いて「なぜ下がったのか?」を考える時間を持ちましょう。

小まとめ

  • 株が下がって不安になるのは人間の本能。

  • 公務員や安定志向の人ほど、変化に慣れるのに時間がかかる。

  • 焦りから行動すると、「お金」だけでなく「心」まで失う。

  • “慣れること”が、最強のメンタル対策。

🥉 第2章:株価下落時にやってはいけない行動3選

株価が下がると、冷静な判断が一気に難しくなります。

頭では「長期投資だし大丈夫」と思っていても、心は「何かしなきゃ!」とざわつく。

でも、焦って動いたときほど失敗しやすいのが投資の世界です。

ここでは、私(伯爵)が実際に経験したことを含めて、“株価が下がったときに絶対やってはいけない行動”を3つ紹介します。

❌① 感情的に売ってしまう「パニック売り」

これは最も多い失敗です。

ニュースで「株式市場が大暴落!」と報じられると、つい慌てて売ってしまう。

しかし、下落局面の売却=安値で手放す行動です。

私も投資を始めたばかりの頃、−15%の含み損を見て「もうダメだ」と思い、すべて売却しました。

けれど、数週間後に株価は元に戻り、「あのとき売らなければ…」と心から後悔したのを覚えています。

下落相場で最も大切なのは、「何もしない勇気」。

焦って動くほど、損失を確定させてしまいます。

“含み損”は“損失”ではありません。

まだ持っているうちは、未来の回復チャンスを握っています。

❌② SNSやネット情報に振り回される

株価が下がったとき、人は安心材料を探そうとします。

でも、SNSには「もっと下がる!」「今が買い時だ!」といった極端な意見が飛び交い、かえって混乱してしまうものです。

私もかつて、ネット掲示板の書き込みに影響され、根拠もなくナンピン(買い増し)したことがありました。

結果は…さらに下がって資金を減らすだけ。

“情報の多さ”は安心にはつながりません。

むしろ、自分の判断軸を見失う原因になります。

大切なのは、「信頼できる数少ない情報源」を決めておくこと。

金融庁や証券会社の公式データ、そして自分の投資ルールに沿った判断を優先しましょう。

❌③ 根拠のないナンピン買いに走る

「安くなったから買い足せば平均単価が下がる!」

——これは、一見合理的に見えて、非常に危険な思考です。

確かに、下落局面で優良銘柄を安く買えることもあります。

しかし、“理由が不明な下落”や“トレンドの転換”を見誤ると、ナンピンが「損失拡大」になるケースも多いのです。

私も昔、根拠もなくナンピンを繰り返し、結果的に資金が凍りつき、身動きが取れなくなりました。

反省してからは、次のルールを決めました。

「ナンピンは“企業価値を再確認したうえで”1~3回だけ」

つまり、“安い”ではなく“価値がある”を基準に判断する。

この視点を持つだけで、投資の精度は格段に上がります。

💬 小まとめ

  • 株が下がったときほど、**「動かない勇気」**が必要。

  • SNSの情報に流されず、信頼できる少数の情報源を持つ。

  • ナンピンは「価値の確認」をしてから。感情で買わない。

  • “冷静さ”こそ、下落時に最も価値あるスキル。

🥉 第3章:冷静に判断するための3ステップ

株価が下がると、「何をすればいいのか」が分からなくなります。

ニュースを見ても、専門家の意見はバラバラ。

そんなときほど、必要なのは「感情」ではなく「手順」です。

ここでは、私(伯爵)が実際にやっている“下落時に心を落ち着かせ、冷静に判断するための3つのステップ”を紹介します。

🪞ステップ①:下落の理由を“自分の目”で確認する

まず最初にやるべきは、「なぜ下がったのか」を自分で確かめることです。

SNSやネットの噂ではなく、一次情報に目を通しましょう。

  • 決算が悪化したのか?

  • 世界的な金利上昇が原因か?

  • 単なる一時的な調整か?

原因を把握することで、「この銘柄の価値が本当に変わったのか?」を判断できます。

私も以前、ニュースの見出しだけで「大暴落」と勘違いして売ってしまったことがあります。

でも実際は、業績ではなく市場全体の調整が原因。

その後株価は戻り、冷静さを欠いた自分を悔やみました。

📌 ポイント

「価格」ではなく「理由」を見る。

それが投資家の第一歩です。

🧭 ステップ②:「投資の目的」をもう一度見直す

次に、「そもそも何のために投資しているのか?」を振り返りましょう。

  • 配当をコツコツ得るため?

  • 老後資金を作るため?

  • 短期で利益を狙うため?

目的が長期であれば、今の下落は「一時的なノイズ」にすぎません。

逆に、短期売買をしているなら、損切りの判断も必要になります。

私自身も、長期投資と短期売買を混在させていた頃、「どっちの基準で判断すればいいのか分からない」と混乱していました。

でも、目的を“長期積立中心”に絞ってからは、一時的な下落にも動じなくなりました。

📌 ポイント

“目的の軸”がある人は、下落にもブレない。

🕰 ステップ③:「時間軸」を取り戻す

株式市場は「短期の声」が大きく響く場所です。

毎日の値動きを追っていると、つい“今”に囚われてしまいます。

でも、投資で成果を出す人は、“時間を味方につける”ことを知っています。

たとえば、過去の暴落(リーマンショック、コロナショック)を見ても、数年後には市場は回復しています。

長期で見れば、「下落」も“通過点”です。

むしろ、「安く買えるチャンス」に変わる可能性もあります。

私は、下がった株価を見るたびにこう言い聞かせています。

「未来の自分は、今の冷静さを感謝するはずだ」と。

📌 ポイント

今日の株価に一喜一憂せず、「5年後にどうなっているか」を基準に考える。

💬 小まとめ

ステップ行動効果
① 原因を確認感情から論理へ切り替えパニックを防ぐ
② 目的を見直す投資の軸を再確認判断の一貫性が生まれる
③ 時間軸を持つ短期ノイズを無視メンタル安定+長期成果

焦った心は、手順を決めることで落ち着きます。

「調べる → 見直す → 俯瞰する」

この3ステップを習慣にできれば、どんな下落相場でも自分を見失わずに済みます。

🥉 第4章:株が下がったときの“行動パターン”を決めておく

株価が下がったとき、最も怖いのは「判断をその場の感情に任せること」です。

一度パニックになってしまうと、冷静な思考は簡単に奪われます。

だからこそ大切なのが、「行動パターン(ルール)」をあらかじめ決めておくこと。

投資は“感情の競技”です。

冷静さを保つためには、ルールがメンタルを守る盾になります。

ここでは、私(伯爵)が実践している“下落時の行動ルール”を具体的に紹介します。

🧩 ルール①:「〇%下がったら分析に切り替える」

多くの人は、株価が下がると「売るか、買うか」の二択で考えがちです。

でも、すぐに売買せず、まず分析モードに入るのが重要です。

※注意!「〇%になったから機械的に売る」は長期投資ではおすすめしません。デイトレードは機械的に売るべきだとは思いますが。

例えば、

「株価が5%以上下がったら“ニュースと決算内容”をチェック」

「10%下がったら“保有理由”を見直す」

このように、数値で区切るだけで感情が落ち着きます。

“なんとなく不安だから動く”という行動が減り、思考に余裕が生まれるのです。

ただし、今の私は長期保有を大前提に株を買っているので、どんなに株価が下がって損をしても、下落理由を調べて自分が納得できる内容であれば、売らずに持ち続けます。

実際、ライザップ株がコロナ禍で-50%になったときも、コロナはいつか終息すると考えていたので、売りませんでした。

その後、株価は回復し、+200%まで上がりました。

💰 ルール②:「買い増し・売却・ホールドの判断基準を決めておく」

下落時の判断は、事前に条件を明確にしておくと迷いません。

たとえば私の場合:

  • 買い増し: 業績好調・一時的な市場調整・長期保有目的の場合

  • ホールド: 決算が想定内・長期成長が崩れていない場合

  • 売却: 業績悪化・方針転換・経営リスクが明確な場合

このように“トリガー条件”を決めておくと、ニュースを見た瞬間に「どう動くか」が自動的に整理されます。

📌 ポイント

感情ではなく、ルールに従って動く。

それが長期投資家の最大の武器。

🧠 ルール③:「判断に迷ったら“1週間置く”」

株価が急に下がると、つい「今決めないと手遅れになる」と感じます。

でも、1週間寝かせてから決めても遅くはありません。

私は以前、焦って売却した翌日に株価が反発し、深く後悔した経験があります。

それ以来、「迷ったら1週間置く」を徹底しています。

1日経つと、驚くほど冷静に判断できるものです。

感情の波が落ち着き、「やっぱり持っててよかった」と思えるケースも多い。

投資は“早く動くこと”よりも“正しく待つこと”が成果につながります。

📘 伯爵の実践例

実際に、2022年の相場下落時(ウクライナ侵攻・金利上昇局面)に私の保有株が−20%まで下がったことがありました。

しかし、「下がったら分析・迷ったら1週間待つ」のルールを守り、焦らずに企業のIR資料を確認。

すると、業績自体は堅調で、原因は市場全体の一時的な売り。

結果的に売らずに持ち続け、数か月後に株価は元の水準に戻りました。

あのとき自分を支えたのは、ルールという“自分との約束”でした。

💬 小まとめ

状況推奨行動理由
5%下落ニュース・決算確認感情を整理する時間を作る
10%下落保有理由の再点検長期軸での見直し
迷ったとき1日置く冷静さを取り戻すため

投資において「ルールを決めておく」というのは、未来の自分を守ることでもあります。

ルールを作るのは、暴落のときではありません。

平常時に作り、異常時に守る。

これが、長く投資を続けるための最大のコツです。

🥉 第5章:落ち込まないための“メンタル整え方”

株価が下がったとき、一番つらいのは「お金の損失」ではなく、“自分の判断が間違っていたかもしれない”という後悔です。

その気持ちは痛いほど分かります。

私も公務員時代、初めて投資を始めた頃に、含み損を見て夜眠れなくなったことがありました。

「投資なんて向いてなかったのかも」と何度も思いました。

でも、続けてきた今だから言えます。

下落相場を乗り越えるたびに、人としても投資家としても成長していたのです。

🌿 ① 「損失=失敗」ではなく「経験」と捉える

株価の下落を“損”だと感じるのは自然なこと。

でも、長期投資では短期の損益は「経過」にすぎません。

過去の私も、ライザップ株で一時−150万円の含み損に落ち込みました。

けれど、半年後にはその経験をもとに投資判断が冷静になり、結局プラスで終えられた。

つまり、「損を経験した=失敗した」ではなく、

「損を通して“学び方”を得た」という成功体験なのです。

心理学でも、「失敗を意味づけし直す力(リフレーミング)」がメンタルの安定に直結することが分かっています。

🧘‍♂️ ② 一喜一憂しない“投資の習慣化”を身につける

株価を毎日チェックしていると、そのたびに気分が上下してしまいます。

私も以前は、仕事の合間に何度も株価アプリを開いていました。

でも、ある日ふと気づいたんです。

「株を見ている時間より、家族と過ごす時間のほうが大事だ」と。

それ以来、株価を確認するのは1日に数回だけにしました。

すると、驚くほど心が安定したんです。

下落していても「まぁ今はそういう時期」と受け止められるようになりました。

そもそも長期保有を決めている人は、毎日チェックをしないほうが良いと思います。

私は株式投資が趣味なので、どうしても毎日相場に触れたくてアプリを開いてしまっていますが(^^;)

📌 ポイント

  • 株を“毎日見る習慣”をやめる

  • “ほったらかす勇気”を持つ

  • “待つ力”こそが投資家の精神安定剤

🪶 第6章:まとめ|“下がったとき”こそ投資家の真価が問われる

株価が下がったとき、人は誰でも不安になります。

でも、その不安をどう受け止め、どう行動するかで、“投資家としての力量”が決まります。

焦って売ってしまうのは簡単です。

けれど、それは「短期の安心」と引き換えに「長期の成長」を手放す行為でもあります。

一方で、冷静に状況を整理し、「なぜ下がったのか」「自分はどうしたいのか」を考える人は、少しずつ“相場に左右されない強さ”を身につけていきます。

🌱 投資家として覚えておきたい3つの言葉

① 焦らない。
どんな相場も波がある。焦りは最大の敵。

② 比べない。
他人の利益や損失は、あなたの人生とは関係ない。

③ 続ける。
投資は一発勝負ではなく、積み重ねの旅。


この3つを忘れなければ、どんな下落相場でも、あなたは“折れない投資家”でいられます。

下がった日こそ、自分を試す日。

数字ではなく、自分の成長を見つめるチャンスです。

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