公務員は分散投資?集中投資?安定と成長を両立する最適戦略を元公務員FP監修で徹底比較

公務員として安定した収入と将来への安心感を抱えながらも、貯金が増えていかず「資産をもっと効率的に増やしたい」と考える公務員、少なくありません。

そんなあなたにとって気になるテーマは、きっとこうした疑問でしょう──

「株式投資を始めたいけど、分散投資と集中投資だったら、どっちが向いているの?」

多くの情報サイトでは一般論として「分散投資が安全」「集中投資はハイリターンだがリスクも大きい」と語られます。

しかし、公務員の方にとって重要なのは、安定志向×制度リスクへの配慮です。

本記事では、FPとして私自身が公務員時代に体験した投資スタイルの変遷(集中投資→長期集中投資+分散投資)をもとに、「あなたにとっての最適解」を具体的に提示します。

また、数字や図解でわかりやすく比較し、公務員として知らずに犯しがちな投資の罠(インサイダー規制、確定申告漏れなど)への注意点も丁寧に解説。

さらに、自分にフィットする投資スタイルをセルフ診断できるチャートも準備。最後には、関連記事へのリンクも掲載し、あなたの次の一歩を応援します。

ぜひ、安心しながらもしっかり資産を育てたい公務員の方にぴったりの内容です。

読み進めるうちに、あなたが「分散投資型」なのか「集中投資チャレンジ型」なのか、きっと見えてきます。

分散投資と集中投資、どっちが公務員に向いている?

公務員として安定した収入を得ている方でも、資産形成を考えるときには「分散投資」と「集中投資」、どちらを選ぶべきか迷う人が多いです。
ここでは、それぞれの特徴を公務員という立場に即してわかりやすく解説します。

分散投資の特徴とメリット・デメリット

分散投資とは、株式・投資信託・ETFなどを複数の銘柄や地域、業種に分けて投資する方法です。

メリット

  • リスクを低減できる
     例えば日本株だけでなく米国株や全世界株式に分散すれば、一部市場が不調でも全体として大きな損失を避けやすくなります。

  • 心理的安心感が高い
     安定した収入を得ている公務員は「大きく損をしたくない」という思いが強い傾向があり、分散投資はこの心理に合致します。

  • 長期投資と相性が良い
     公務員は定期的な給与収入・ボーナスを活用した「つみたて投資」がしやすく、特にNISA・iDeCoなどの税制優遇制度を利用することで効果を最大化できます。

デメリット

  • 爆発的なリターンは得にくい
     安定して資産を育てる一方、大きく資産を増やすには時間がかかります。(例えば、うまくいって年に数%程度資産が増える程度)

  • 投資信託などの商品選びが難しい
     インデックス型、アクティブ型、ETFなど商品が多く、初心者には迷いやすい面もあります。

集中投資の特徴とメリット・デメリット

集中投資は、少数の銘柄や特定の市場に資金を集中的に投じる方法です。

メリット

  • 大きなリターンを狙える
     将来有望な企業に集中して投資することで、株価が大きく上昇した際には高い利益が得られます。

  • 自分の得意分野を活かせる
     例えば、公務員として特定分野に詳しい場合(例:土木関係、医療関連など)、知識を活かして投資判断が可能です。

デメリット

  • リスクが非常に高い
     銘柄選びを誤ると大きな損失を被る可能性があります。特に給与以外の収入が少ない公務員にとってはリスク管理が重要です。

  • 感情的になりやすい
     投資額が集中するため株価の変動に敏感になり、冷静な判断を失いやすくなります。

公務員に向いている投資スタイルは?

公務員は安定収入がある反面、副業制限や倫理規定があるため、リスクを最小限にしつつ着実に資産を増やす必要があります。
結論から言えば、基本は分散投資をベースにするのがおすすめです。

ただし、分散投資だけでは目標資産額に届かない場合もあります。
例えば、退職までに3,000万円の資産形成を目指す場合、以下のような配分が現実的です:

  • 分散投資:資産全体の70~80%程度をインデックス投資や投資信託へ

  • 集中投資:残り20~30%程度を個別株などリスク資産に割り当てる

こうすることで、リスクを抑えながらも成長のチャンスを逃さない「ハイブリッド型ポートフォリオ」が可能になります。

私的には、20代・30代(独身)のうちは積極的にリスクをとってチャレンジしていいと考えます。
例え失敗しても安定収入がある公務員なら十分挽回できますので。
例えば、

  • 分散投資:20%程度

  • 集中投資:80%程度

と「挑戦的」なポートフォリオも良いと思います。

私の体験談:集中投資から始めて集中・分散長期投資へ

私自身、県職員時代に投資を始めた当初は集中投資一択でした。

分析して銘柄を選び、そこに全力投球、一点張りで投資を行っていました。

しかも、このころは早く結果が欲しいと考えていて、短期で売買していました。

今から考えると、バカな行動を取っていたと反省しています。

その後、経験を積むとともに、株の勉強を進めることで、「長期集中投資の爆発力」と「分散投資の安定さ」に気づき始めていきました。

株を始めて数年経つ頃には、完全に「長期集中投資」+「分散投資(投資信託)」のスタイルに変わっていきました。

この結果、長期集中投資では1.5倍や2倍がいくつか取れ(ライザップ、ネットマーケティング、鎌倉新書、Mimaki、エランなど)、分散投資(eMAXIS Slim全世界株式)では安定して年10%程度のリターンを得ています。

現在、私のポートフォリオは、以下のとおりとなっています(2025年9月8日時点)。

  • 分散投資:5%程度(eMAXIS Slim全世界株式のみ)

  • 集中投資:95%程度(ライザップ、鎌倉新書、Mimakiの3銘柄)

かなりリスクを取ったポートフォリオとなっていますが、集中投資のほうは徹底的に分析して銘柄選定し「基本売らない」方針でやっていますし、株歴も9年になるので、リスクは初心者よりは低くなっていると考えています。

数字で分かる分散投資と集中投資

「分散投資と集中投資、どちらが効率的に資産を増やせるのか?」
公務員の安定収入をベースに、20年間の長期シミュレーションを使って比較してみましょう。

ケーススタディ:毎月3万円を20年間積み立てた場合

  • 前提条件

    • 投資額:毎月3万円(年間36万円)

    • 投資期間:20年

    • 分散投資:年利5%(全世界株インデックスを想定)

    • 集中投資:年利10%(成長株集中投資を想定)

    • 税金は考慮せず、複利計算で算出

【■資産額シミュレーション】

投資スタイル想定年利20年後の資産額最大下落リスク
分散投資年5%1,233万円△15〜20%
集中投資年10%2,278万円△40〜60%

※シミュレーションはtチャットGPT5がはじき出したデータになります。将来の成果を保証するものではありません。

私の経験則では、集中投資(ライザップ)で、コロナ禍、-50%まで資産が下がったことがあります。

そのときは精神的にかなりまいっていました。

それでも我慢して売らずにしていたら、結局+3倍まで資産が増えた時期もありました。

分散投資(投資信託)では一番下がった時で-数%程度でした。

このあたりのリスクを許容できるかでも投資スタイルは変わってきます。

リスクとリターンの違い

■分散投資

  • 世界中の株式や債券に投資するため、リスクは抑えられる。

  • 過去30年間の主要インデックス(MSCI ACWI)では年平均リターン約3〜5%

  • 最大下落幅はリーマンショック時でもおおよそ△20%前後。

■集中投資

  • 特定銘柄やセクターに資金を集めるため、成功すれば高リターン。

  • 例えば、米国GAFAM銘柄への集中投資は過去10年で平均年率20%超の実績も。

  • ただしリスクは大きく、業績悪化で株価が半分になることも珍しくありません。

公務員におすすめの投資配分モデル

公務員は安定収入がある一方、副業制限やインサイダー規制など法的制約があるため、リスク管理が最優先です。
おすすめは「分散ベース+集中スパイス」のハイブリッド型です。

■モデル例:資産500万円の場合

投資先割合投資額想定リターン
全世界株式インデックス50%250万円年3〜5%
米国S&P500インデックス30%150万円年5〜7%
個別株集中投資20%100万円年8〜15%

この配分なら、リスクを抑えつつ成長機会も逃さないバランス型ポートフォリオが構築できます。

まとめ:数字で見ると「分散+集中」が最適

  • 公務員は給与収入が安定しているからこそ、守りの分散投資が基本。

  • しかし、リスク許容度に応じて一部を攻めの集中投資に充てると、資産形成のスピードを高められる。

  • 大切なのは、「リスク管理を前提にした資産配分」です。

公務員が投資スタイルを選ぶ際の注意点・法規制

公務員が株式投資をする際は、一般の会社員とは異なり、法律・規則・倫理面での制約を意識する必要があります。
特に「分散投資」と「集中投資」を選ぶとき、この制約を知らないと最悪の場合、懲戒処分の対象になることもあります。

副業禁止規定と株式投資の関係

国家公務員法・地方公務員法では、営利目的の副業は禁止されています。
ただし、「株式投資」は原則として副業には該当しません

  • OKな投資

    • 上場株式、投資信託、ETFなどの売買

    • NISA・iDeCoを使った長期積立

  • NGになる可能性があるケース

    • 上場企業の大株主(発行済株式の5%超)になり、経営に関与しているとみなされる場合

    • 株式投資を業として行っていると判断される場合(例:デイトレードでほぼ専業状態)

(参考:一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)

分散投資中心であれば、副業扱いされるリスクは極めて低いです。
一方、集中投資で特定企業の大量株を保有する場合は、持株比率に注意が必要です。

インサイダー取引リスクに注意

公務員は業務上、未公開情報に触れる機会が多い職種です。
たとえば、県庁や市役所でインフラ事業、補助金交付、公共工事などを担当していると、特定企業の株価に影響を与える可能性がある情報を知ることがあります。

もしこの情報をもとに株を売買すると、金融商品取引法違反(インサイダー取引)となり、懲戒処分だけでなく、刑事罰の対象になることもあります。

  • 具体例

    • 勤務先で知った「企業への補助金交付予定」を事前に把握して株を購入

    • 県の土木整備計画に関連する企業の受注情報を知り、関連銘柄を買い増し

こうした行為は意図しなくてもリスクがあるため、自分の業務に関係する企業の株は避けるのが鉄則です。

勤務時間中の株取引は禁止

公務員は、勤務時間中の株取引は絶対にNG
とくにスマホアプリでリアルタイム取引が簡単にできる時代だからこそ、つい勤務中に売買してしまうケースもありますが、これが発覚すると服務規律違反として処分対象になる可能性があります。

  • 分散投資で長期積立を行う場合 → 基本は「ほったらかし運用」なので問題なし

  • 集中投資で短期売買を繰り返す場合 → 勤務時間外であっても証拠管理を徹底する必要あり(長期投資が前提なら「ほったらかし」にできるので問題なし)

NISA・iDeCoを活用した節税メリット

公務員は給与所得控除がある一方で、投資に関する税制優遇も賢く使えます。

  • NISA(つみたて投資枠)

    • 年間120万円までの投資が非課税

    • 投資信託・ETF中心で、分散投資との相性◎

  • NISA(成長投資枠)

    • 年間240万円までの投資が非課税

    • 個別株への集中投資も非課税枠でカバー可能

  • iDeCo

    • 掛金が全額所得控除になる

    • 長期的な分散投資に最適

    • 将来の年金が増やせる

制度は法改正により変更される可能性があるため、最新情報は金融庁公式サイトで確認するのが安心です。

(出典:金融庁HP未来を育む資産形成NISA

まとめ:公務員は「ルール遵守+長期目線」が鉄則

  • 株式投資は原則OKだが、副業規定・持株比率・業務関連銘柄には注意

  • インサイダー取引を避けるため、自分の業務に関係する企業は投資対象から外す

  • 短期売買を頻繁に行うと、勤務中のトラブルや税務管理リスクが高まる

  • NISAやiDeCoを活用して、分散投資をベースにするのが公務員に最適

まとめと投資スタイル診断チャート+おすすめ戦略

ここまで、分散投資と集中投資の違いや、公務員が投資を行う際の注意点を解説しました。
ただ、「自分はどっちの投資スタイルが向いているのか?」と悩む方も多いと思います。
そこで、以下のセルフ診断チャートを使って、あなたに合う投資スタイルを見つけてみましょう。

投資スタイル診断チャート

Q1. 投資資金はどのくらいありますか?

  • A. 月3万円以下 → 分散投資が向いている

  • B. 月5万円以上 → Q2へ

Q2. 損失にどこまで耐えられますか?

  • A. 資産が一時的に30%減っても大丈夫 → Q3へ

  • B. 10%減るだけで眠れなくなる → 分散投資型

Q3. 投資にどのくらい時間を割けますか?

  • A. しっかり分析して特定の企業を選びたい → 集中投資チャレンジ型

  • B. 忙しくて放置したい → 分散投資ベース型

あなたに合う投資スタイルはこれ!

1. 分散投資型(守り重視)

  • 特徴:世界中の株式・債券・投資信託に広く投資

  • おすすめ商品

    • 全世界株式(オールカントリー)or米国株式(S&P500)

    • NISAでの積立投資

  • メリット:低リスクで心理的負担が少ない

  • デメリット:大きなリターンを狙いにくい

2. 集中投資型(攻め重視)

  • 特徴:将来有望な少数銘柄に集中

  • おすすめ商品

    • 成長株

    • バリュー株

    • 米国テック株

    • IPO銘柄

    • 高配当株
    • 優待株
  • メリット:成功すれば短期間で大きなリターン

  • デメリット:失敗時の損失リスク大

3. ハイブリッド型(分散+集中)

  • 特徴:資産の70%を分散投資、30%を集中投資へ

  • おすすめ商品

    • NISAで全世界株インデックスにつみたて投資

    • 魅力を感じる個別株に少額を投資

  • メリット:安定と成長のバランスが良い

  • デメリット:集中投資分で損失が出る可能性は残る

【私自身もハイブリッド型です】
NISAでコツコツ分散投資を続けながら、ライザップ株と鎌倉新書株とMimaki株に集中投資しています(2025年9月8日)。
集中投資部分で利益が出ても、分散投資部分があるおかげで精神的に安定して運用できています。

次の一歩:やるべきことリスト

  1. 証券口座を開設する

    • SBI証券、楽天証券、マネックス証券がおすすめ

  2. NISAを活用

    • 公務員にも使いやすく、非課税枠を最大限活用できる

  3. 興味ある銘柄を3つだけ調べる

    • 集中投資をするなら得意分野や将来性を分析

  4. 株の本をたくさん読む

    • 成功者の投資方法を学び、銘柄の選び方やメンタルコントロールなど活かせるところは活かす

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